「証拠がなく、動機も薄いので、相手にしてくれない」「法律の話ばかりで、親身になってくれない」当事務所を訪れる方の中には、そのようなご不満を感じていらっしゃる方が、少なくありません。「木を見て森を見ず」ということわざがありますが、私は依頼人の心のケアこそが、最も大切なことだと感じています。例えば、先方の弁護士から厳しい内容の通達が送られてきたとします。しかし法的に見れば、たいした内容ではないケースもあるのです。そんなとき一言、「心配ないですよ」と声をかけてあげるだけで、依頼人の負担は軽くなるでしょう。最初に信頼関係が築けてこそ、プライベートなことや話しづらいことでも打ち明けてくれる。そこに、解決の糸口が埋もれていることだってあるのです。依頼人の話の中には、冒頭と終わりが一貫していないケースがよくあります。また、将来のリスクについて本人が気付いていない場合もあります。したがって、「話の腰を折らずに、最後まで聞く」ことが重要。みだりに早合点してしまうと、合意すべきポイントがずれ、協働姿勢が築けません。また、精神的な被害については、確たる証拠をそろえにくいものです。無理に慰謝料請求をしても、裁判で認められない場合があります。それならば、同程度の金額を、「別れて”あげる”ことの解決金」として請求してみませんか。それを認めさせ、具体的な結果を出すのが、プロの仕事です。